うさぎ族
宮之島家みやのしまけ
サザンクロス在住
宮之島家は、天との交信能力をもつうさぎ族です。
兄のじゅり、妹のしろは、亡き母「とし」の後継として、鎮魂の儀「語りがけ」を任されています。
陰陽師=加持祈祷を行う仕事があります。宮之島家の役割は、動物界の陰陽師と言えるでしょう。
宮之島とし
天との交信能力に長けていた。嵐との対話を好み、即興詩(交信詩)をエネルギッシュに詠む。半年前に2匹の子どもを残し、黄泉の園へと旅立った。
宮之島じゅり
宮之島家の長男。母の農場を受け継ぎ、運営している。特技は料理とハープ演奏。繊細ではにかみやであるが、芯が強い。影のまとめ役として、しろを支えている。
宮之島しろ
宮之島家の長女。活発で積極的な性格である。指揮、作曲、ピアノ演奏をマルチにこなす音楽族。天との交信能力が高く、他族からの信頼も厚い。
猫族
西朱里家にしあかりけ
猫まやの里在住
西朱里家には猫笛吹きとして、生涯を全うする定めがあります。この定めは代々受け継がれており、自らの意思で変えることはできません。
笛猫である西朱里(にしあかり)ゆりえには、後継がおりませんでしたが、みかんの木の下で泣いていた赤ちゃん猫に出会い、後継にすることに決めました。
この猫が「オレンジ」です。
西朱里ゆりえ
笛猫として生涯を全うした。猫笛の音色により、癒しと救済を授ける特別な存在であった。猫まやのみかん畑で出会った瀕死の親猫に、赤ちゃん猫を預けられる。この猫を養女として迎え入れ、笛猫後継として育て上げた。2ヶ月前に虹渡りをし、黄泉の園へと向かっていった。
西朱里オレンジ
ゆりえの養女である。オレンジはゆりえを実の母猫として信じて疑わなかったが・・・ゆりえの虹渡りの日、真実を知らされることになる。猫笛とトイピアノを操って、心をときほぐす才能を授かっている。
花吹雪家はなふぶきけ
轟湾岸 在住
(とどろきわんがん)
花吹雪家は心優しき父、猫三郎を中心に円満なご家庭でした。しかし震災のために、全てが狂ってしまいます。父母は亡くなり、息子のノアだけが残されました。
ノアはピアニストへの夢も打ち砕かれ、キロン診療所で傷心の日々を送っています。
花吹雪猫三郎
クラブドクロの専属ピアニスト兼作曲家。猫族に寄り添った音楽を奏で、ドクロになくてはならない存在であった。震災避難の移動中、津波にのまれて命を落とした。
花吹雪みぃか
猫三郎の奥さんで、歌猫(うたねこ)。美しく表情豊かな声の持ち主であった。病弱であったため、震災避難が遅れ、猫三郎と共に命を落とした。
花吹雪ノア
花吹雪夫妻の養子である。突然の両親の死に、生きる気力をなくしている。震災後はキロン診療所に収容され、物心両面で援助を受けている。
紅東家べにひがしけ
ペルソナ公園裏 大いちょう在住
大いちょう洞穴は、紅東鈴(べにひがしすず)の住処であり、かつては猫目石金平(ねこめいしこんぺい)と同居していた。
がしかし、金平が突然姿を消してからというもの、キロン診療所に入り浸り、恵まれない動物族の世話をとりしきるようになった。
キロン診療所
癒しの杜いやしのもり
瑠璃ヶ丘
キロン診療所は、癒しの杜 瑠璃ヶ丘(るりがおか)にある動物のための癒しの里です。
震災を境に孤児も増えましたが、皆で協力してお世話をしています。メインスタッフは、猫族の紅東鈴 犬族のロイス、セルゲイ 所長でアリクイ族のアリーナです。
紅東鈴
大いちょうの自宅にはほぼ戻らず、診療所に住み込んでいる未亡猫。孤児や傷ついた動物の世話を率先して行い、「キロンの母」と慕われている。しっかり猫で負けん気が強く、一見荒っぽくみえるが、本当は優しすぎるほど優しい母猫である。
アリーナ
キロン診療所の所長で、アリクイ族である。動物どうしの垣根を取り払い、平等に扱う。見た目は老いているが、かくしゃくとしており、先陣を切って行動する。震災後、住処を失った動物や孤児たちのため、孤児院を建て、仮診療所を増設した。
ロイス
診療所チーフの獣医。子犬の頃、愛護センターからアリーナによって引き出された。アリーナはロイスの素質を見抜き獣医として育てあげた。今では、どんな動物にも対応できる、ベテラン獣医としての誉れが高い。フレンチブルドッグ。
セルゲイ
迷い犬であったが腕っぷしの強さと対応力を買われ、キロン診療所の警備や案内など、まとめ役を任されている。決して出しゃばらず、縁の下の力持ちとしての役割を完璧に果たす、能力の高い樺太犬である。
プロフェットクレアーレ
プロフェットクレアーレとは、特殊な命を受けた猫族の名称である。選ばれし預言猫と称されることもある。主たる任務は、上流猫族の警護活動であるが、それだけに終わらない。鋭い予兆能力を活かし、希望する族に預言を伝える任務もある。全ての任務が終われば、誰の目にも触れることなく、この世から姿を消す掟が定められている。
過酷な生き方を強いられるが、希望する猫族もいる。天涯孤独であること、自己犠牲の精神が強く根付いていること、生と死の狭間に生きる哲学を理解していることなど、一般にはない環境と遺伝的要因をもっている猫族が多い。
猫目石金平
子猫時代、愛護センターでの処分寸前に、紅東鈴によって引き出された。その後キロン診療所に入居。気まぐれで喧嘩早く、風来坊。他の動物たちとの折り合いが合わず、鈴が引き取り同居していたが、突然行方不明になる。後にプロフェットクレアーレとなった。
京ぽん
猫目石金平が、プロフェットクレアーレの後継として、指名した。元ヤクザ猫であったが、喧嘩が強いだけではなく、精緻な予知能力に加え、懐が 深い。総合的な能力が高い猫族である。金平の右腕として活躍している。