マインドフルネス瞑想の準備

心のおしゃべりを止める

過去の反芻、未来への悲観など、心の動きに振り回され、疲れてしまったことはありませんか?それはあなたがまとった鎧にこだまする、心のおしゃべりなのです。鋼鉄の鎧はおしゃべりをこだまのように響かせます。やかましくてたまらない。早く鎧を脱いで、楽になりたい・・思いに反して、心は勝手におしゃべりをはじめてしまう・・・

このような、身体を見失った状態から本来の自分に戻るには、正しいマインドフルネス瞑想を実践することも一つの方法です。(瞑想法は200ほどありますので、マインドフルネス瞑想が全てではありません。たとえば、座禅 こちらはマインドフルネスより敷居が高く、難解です。座禅への入り口としてマインドフルネス瞑想を実践することが良いと、私は考えています。)

マインドフルネスとは、脳を休息させるメソッドであります。1日に1度は、脳を休ませ、新鮮な空気を受け入れる余地を作ってやる・・・結果的に、柔軟で建設的な考え方に変化していきます。心の鎧やおしゃべりから解放されたあなたは、心身ともに楽になったことを、実感できるでしょう。

休息と正しい練習の大切さ

音楽には、休符(日本の音楽ならばと言います)と呼ばれる、空白の部分があります。この空白は、次への合図、緊張感を高める、他の楽器を引き立たせる効果、含みをもたせるなど・・・重要な意味をもっています。曲書きの立場から申し上げて、休符を上手に使えるようになって一人前なのですが、最初のうちは音符で埋めていないと不安でたまらず、不必要な音も入れて、五線紙を真っ黒にしてしまう・・・要するに休むことが怖くてできないのです。

仕事に置き換えてみれば・・・休めば世間においていかれる、他人に負けてしまう、時間がなくなって何もできなくなる、努力が中断するなど 自分独自のネガティブな理由をくっつけて、動いていることが良いと思い込んでしまうのです。

その結果本来の自分の姿を見失い、行き詰まったことは私にも何度かありました。このような時は、一歩引いた立場で客観的に捉え、立ち止まる勇気が必要なのです。マインドフルネス瞑想は、休符の役割と同様、単なる脳の休息に終わらず、立ち止まる勇気を得られるメソッドです。

マインドフルネス瞑想により心身の偏りを克服し、不思議な現象(自分にとって嬉しいこと)が続けば、自然と習慣づけたくなります。雲をつかむようなスピリチュアル系瞑想や、他人の後押しが必要な心理系のレッスンとは違い、あなた自身が意識し、練習を重ねれば誰しもがポジティブな結論を出せる世界なのです。

ただし芸事と同様、毎日の練習が重要です。どれほど素晴らしい先生についたとしても、受け身でいては進歩はありません。定期的な実践が精進のスピードアップを促します。

マインドフルネスは指導者によって方法が違います。私は山下良道先生(曹洞宗とテーラワーダ仏教、両方の修行を極めた方で、現在は宗派にとらわれない活動をされております、)書籍~ポッドキャストのご指導から入りつつ、音楽家である自分の感性を織り交ぜて、マインドフルネス瞑想を続けております。

マインドフルネス瞑想イントロダクション

●準備するもの

・座布(座禅用)

座布が手に入らない場合は、座布団を2枚用意します。1枚を広げ、もう一枚は二つ折りにし、その上に座ります。

・椅子(足が悪くて座れない場合)

●座り方

半跏趺坐

この座り方がおすすめです。初心者でも簡単に座ることができ、長時間の座りにも耐えられます。

結跏趺坐

最も安定感がありますが、長時間続けることが難しい座り方です。ヨガや座禅経験者を除き、「自分には無理だ」と諦めてしまうかもしれません。しかし、半跏趺坐を続けていくうちにコツがわかり、なんとか座れるようになります。それでも無理は禁物です。立ち上がる時は足を揉みほぐしてから、注意深く!

・あぐら

半跏趺坐 結跏趺坐が無理な方はあぐらで良いと思います。

・椅子に座る

足を痛めている方、足を組むことが難しい方は、無理をせず、椅子に座りましょう。足の裏はしっかりと地面につけます。

●注意

苦痛を感じたら、瞑想の途中でも楽な体勢をとってください。椅子に座りかえても何ら問題はありません。我慢することは、逆効果になるばかりか、練習が続きません。

身体をしめつけるものを全てはずします。メガネやベルト アクセサリー類もはずしたほうが、身体を内側から観察しやすくなります。

カーヤ(身体)アヌパッサナー(観察する)への準備

●メソッド1

ゆっくりと身体を左右にゆすります。そして、骨盤のあたりから約45度前に身体を倒します。骨盤を緩ませる感覚です。そして、反動をつけずに、身体を元に戻していきます。戻した位置があなたの最適な位置です。

そのまま息を吸いながら、肩を耳にくっつけるように上げていき、息を吐きながらすとんと落とします。これを3回繰り返します。両手は膝に置いてください。

次に口をつぼめて開き、ふーっと息を吐き切り、口を閉じて息を吸います。この呼吸を3回繰り返します。長い長い呼吸になるように、意識してください。

そして、頭で天井を築き上げているイメージで、口を閉じ、舌を上顎にしっかりつけ目を閉じます。これで無駄な唾液が出ることもなく、安定します。

右膝、左膝、お尻で三角形をイメージしましょう。この三角形が「今ここ」という概念です。

●メソッド2   レガトゥーラ(なめらかな)の呼吸

明珍風鈴の合図から始まります。風鈴の音をよく聴きましょう。消えていく音に注意を払ってください。

〜次はオリジナルの音楽です。音楽と呼吸とを一体化させるように、なめらかな呼吸を続けましょう。音楽はBGM的に聴き流すのではなく、身体全体で意識しましょう。呼吸は絹をまとうようなイメージで!

呼吸の音はあなたの内側だけで、密やかに響きます。あなただけの独自の世界を作り上げていくように・・・やがて呼吸は身体と一つになっていきます。

明珍風鈴が鳴ります。ここで目を開けます。

※ 下記のファイルは明珍風鈴の音です。

 

※メソッド1~2を就寝前にやってみてください。眠りの深さが違うことに気づきます。次のメソッドに進まず、ここまでを習慣化することも良いでしょう。身体に覚えさせることにより、瞑想を実践しないと物足らなくなる感覚が芽生えてきます。

※音楽については別記事に記します。

 

 

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